自立訓練(生活訓練)について
生活訓練とは
高次脳機能障害のある方を対象に、自立生活のために、必要な自己管理能力の獲得や、社会参加の場を見つけるための援助、社会参加に必要な生活能力、社会性の維持や向上を図り、グループワークや個別訓練等、さまざまな形で支援をしていきます。
高次脳機能障害とは
事故や病気などによって脳が損傷を受けると損傷した場所によってさまざまな症状が現れます。その中でも、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳の機能に障害が起きた状態を「高次脳機能障害」といいます。
高次脳機能障害は、外見からはわかりにくいため、周りの人から理解を得ることが難しく、誤解されてしまうことがあります。そのため、ご本人や家族がつらい思いをすることも少なくありません。
サービス利用について
利用できる方
次の要件をすべて満たしている18歳以上の方が対象です。
- 高次脳機能障害がある方
- 日常生活が自立している方
- 将来的に就労を目指している方
利用に必要なもの
- 高次脳機能障害による精神障害者保健福祉手帳、又は高次脳機能障害の診断書
- 障害福祉サービス受給者証
利用定員
10名
利用期間
原則として1年以内
利用方法
利用方法は原則として通所です。ただし、遠距離等で通所の利用が困難な場合や訓練効果の視点から、入所利用の相談に応じます。
利用料
障害者総合支援法に定められた基準に基づき、利用した自立訓練サービス費の原則1割と食費(実費)を負担していただきます。
例えば
(1日の経費)サービス費負担金800円程度・食費(昼食510円)
入所利用の場合、朝食・夕食・光熱水費が加わります。
自立訓練(生活訓練)サービスの内容
グループ訓練
複数のメンバーで活動を行う訓練です。知識や情報を共有し、コミュニケーションを図りながら、他者を常に意識した訓練を行います。
1.メモリーノート
「過去の出来事を思い出すことに自信がない人」、「これからの予定について不安な人」なども、日課・週課のスケジュールを自分で管理しながら、生活リズムの確立や、生活管理能力の向上を目指します。
2.認知リハビリテーション
「自分の記憶力はどのくらい?」等、さまざまな疑問に対して、注意機能や記憶機能に焦点をあてた課題を実施し、自分の能力を理解することや、「高次脳機能障害ってなんだろう?」という疑問をグループで学びます。
3.ガーデニング
農作業等の五感を使う作業を実施し、作物を育てるための計画力、責任感、他者と協力する力、育てる喜び、達成感等をさまざまな体験を通して学びます。
4.スポーツ
「疲れやすい人」も体を動かしながら、体力の向上を図り、「自分の体力」について学びます。
5.スキルアップ
「調理訓練」や「外出訓練」等、グループでさまざまな作業、活動を実施し、自分のできること(スキル)を増やします。
個別訓練
一人ひとりの能力に合わせてプログラムを実施します。また、面談等も行い、今後の計画や希望について話し合いを実施します。
1.就労訓練
「どんな仕事があるのか?」「仕事をするにはどんな力が必要?」等、個人に合わせて、就労に関する情報提供や、就労に必要な作業能力、作業耐性等を評価・訓練していきます。
2.個別OT(作業療法)
「自分が得意なこと、苦手なこと」を探り、個人の状況に合わせた代償手段を学ぶことや、注意機能や記憶機能の課題を通して、必要な能力の向上を図ります。