検査科

検査科の業務概要

現在の医療においては、病気を診断し、治療方針を決める上で、臨床検査は欠かせないものです。
検査科では、検査業務は臨床検査技師3名が行っており、病院内の他部門と連携しながら常時、迅速で正確な臨床検査データの提供をこころがけています。

臨床検査には

検体検査:血液・尿・便・組織や細胞等の患者から採取した検体を扱う検査と
生理機能検査:心電図や脳波検査など、直接患者の体から情報を得る検査があります。

検体検査

人体から採取した血液、尿、組織、などの検体を用いて調べます。一部検査については外部に委託しています。
栃木県立リハビリテーションセンター検査科基準範囲(令和3年4月1日現在)

生化学的検査

血液中の酵素、脂質、糖質、ミネラルなどを測定し、体調の変化や臓器の異常を把握します。肝機能検査、腎機能検査、脂質検査、糖尿病検査など、多くの分析項目があります。

血液学的検査

血液中の血球成分(白血球、赤血球、血小板)の数や形態、機能を検査します。貧血の種類や白血病をはじめとするさまざまな血液の病気を見つけることができます。血液をサラサラにするお薬の効果も見ることができます。

一般検査

尿、便などを調べる検査です。尿の検査では腎臓や泌尿器系臓器の状態などについて調べます。便の検査では目には見えない出血を検査し、消化管出血の有無を調べます。

輸血検査

輸血をおこなうために必要な血液型検査や交差適合試験(輸血する血液が患者の血液と適合するか否かの検査)などがあります。そのほか、輸血用血液の保管管理・供給に関する業務も行っています。

免疫血清学的検査

血液中の抗原や抗体反応を利用して感染などの免疫(身体に侵入してくる異物を排除する仕組み)に関係する病気を診断する検査です。肝炎ウィルス、梅毒、インフルエンザなどの診断には欠かせない検査です。

微生物学的検査

患者から採取した便、尿、膿、喀痰などを顕微鏡で観察、培養し、感染症の原因となる微生物を特定するとともに薬に対する効き具合(感受性)を検査します。検査科ではMRSAスクリーニング検査と検体をグラム染色して顕微鏡で観察する鏡検検査を実施しています。


生化学自動分析装置

自動血球分析装置

生理機能検査(生体検査)

心電図検査、超音波検査、脳波検査、呼吸機能検査、神経生理検査などがあり、患者の体から直接情報を記録して、体の状態を調べます。

心電図検査

心臓の拍動を電気現象として捉える検査で、心臓の脈の乱れや狭心症などの病気がないかを調べます。

超音波検査

人の耳に聞こえる音の周波数よりさらに高い音である超音波を用いて体内の臓器や血液の流れなどを画像化し、異常の有無を調べます。心臓や、肝臓・胆のう・腎臓などの腹部臓器、大動脈・下肢静脈などの血管系といったあらゆる臓器の観察に用いられます。

脳波検査

脳は眠っているときも目覚めているときも、微弱な電気を出し続けています。その電気信号を増幅して記録するのが脳波検査です。てんかんが疑われる患者には、光や深呼吸などいろいろな刺激を与えて脳の反応を調べます。お子様の場合は眠った状態で検査します。

聴性脳幹反応(ABR)

音刺激に対する脳の反応をみる検査です。脳波検査同様、お子様の場合は眠った状態で検査します。

神経伝導速度検査

神経に電気刺激を与えて神経の伝わり具合を調べます。

呼吸機能検査

息切れ、呼吸が苦しいなどの症状があるときに、呼吸器(肺・気管支など)の状態を調べる検査です。肺の病気の診断・重症度、治療効果の成果を見るときにも行われます。術前検査として、手術のときの麻酔法の選択の時にも利用されます。


脳波計

超音波撮影装置

精度管理

精度管理とは

精度管理には内部精度管理と外部精度管理の二種類があります。内部精度管理は毎日同じ試料を測定して、結果が他の日と大きく変わっていないかを調べます。また、外部精度管理は日本臨床衛生検査技師会などの団体が同じ試料を調査に参加する病院や検査施設に送り、同時期に測定することで異なる結果が出ていないかを調べます。
検査科では外部精度管理として「日本臨床衛生検査技師会主催精度管理調査」「 栃木県臨床検査技師会主催精度管理調査」、2つの事業に参加しています。

チーム医療

現在の医療は医師を中心に看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの医療職がそれぞれの高い専門性を生かし、患者の状況に合わせた最善の医療を提供することを目的としたチームを構成しています。検査科では、ICT(院内感染対策チーム)、医療安全(リスクマネジメント委員会)、褥瘡管理委員会に臨床検査の専門家として積極的に関わっています。

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