ボツリヌス療法外来(痙縮外来)
脳卒中の後遺症である手足のつっぱり(痙縮)に対して、ボトックス療法を実施しています。
痙縮とは
脳卒中でよくみられる運動(機能)障害の一つに痙縮という症状があります。痙縮による姿勢異常が長く続くと、筋肉が固まって間接の運動が制限され(これを拘縮(こうしゅく)といいます)、日常生活に支障が生じてしまいます。また、痙縮がリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮に対する治療が必要となります。
ボツリヌス療法とは
ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌(食中毒の原因菌)が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とする薬を筋肉内に注射する治療法です。
ボツリヌストキシンには、筋肉を緊張させている神経の働きを抑える作用があります。そのためボツリヌストキシンを注射すると、筋肉の緊張をやわらげることができるのです。ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません。
この治療法は世界80カ国以上で認められ、広く使用されています(2014年1月現在)。日本では眼瞼けいれん、片側顔面(へんそくがんめん)けいれんのほか、次の疾病に対して医療保険の適用が認められており、これまでに10万人以上の患者さんがこの薬による治療を受けています。