高次脳機能障害とは
脳血管障害(脳出席、脳梗塞、くも膜下出血)や脳外傷などによって脳が損傷を受けると、損傷した場所によってさまざまな症状が現れます。そのなかでも、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳の認知機能に障害が起きた状態を高次脳機能障害といいます。高次脳機能障害は、外見からはわかりにくいため、周りの人から理解を得ることが難しく、誤解されてしまうことがあります。
高次脳機能障害の主な症状
記憶障害
- 人や物の名前が覚えられない
 - 聞いたことをすぐ忘れてしまう
 - 同じ間違いをくりかえす
 

注意力・集中力の低下
- 注意散漫ですぐに気が散る
 - 作業に集中できない、長続きしない
 - 人の話を最後まで聞けない
 

遂行機能障害
- 指示がないと何もできない
 - 優先順位がつけれらない
 - 二つ以上の作業を同時にできない
 

意欲・発動性の低下、脱抑制
- 自分では何もしようとしない
 - 自分から何も話そうとしない
 - イライラし、怒りっぽくなる
 

高次脳機能障害に対するリハビリテーション
当センターでは記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害、視覚認知障害、失語症などの高次脳機能障害に対して、機能訓練、記憶訓練、注意訓練、認知リハビリテーション等を行います。リハビリテーションによって、記憶力や注意力、問題解決能力などの認知機能の向上や、精神的な健康の改善が期待できます。
また、高次脳機能障害の症状は、周囲の環境を整えたり、対応の仕方を工夫したりするなどの適切な対応を行うことによって、できなかったことができるようになり、問題となる行動が減少することがあります。生活しやすい環境や、周囲の方との関わり方を検討・調整するための支援を行います。
高次脳機能障害に特化した障害福祉サービス
障害者自立訓練センター(駒生園)では、高次脳機能障害のある方を対象とした自立訓練(生活訓練)サービスを提供しています。生活訓練は、日常生活や社会生活に必要な能力を向上させることを目的としています。訓練の主な内容は、次のようなものがあります。
- 自己管理能力の獲得
 - 社会参加の場を見つけるための援助
 - 社会参加に必要な生活能力や社会性の維持や向上
 - 障害に対する認識を高め、その代償手段を獲得すること
 - 生活リズムを整え、日中活動に参加する体力や耐久性の向上
 - 生活動作の手順や道具を工夫し、自己管理できることを増やす
 - ご家族と地域の支援機関との協力体制を築く
 - 作業能力の向上
 
