作業療法(OT:Occupational Therapy)とは
ここでいう「作業」とは日常生活の諸動作、仕事・遊びなど人間の生活全般に関わる広い意味での諸活動を指します。
作業療法では、現実の生活場面における問題点を評価し、いろいろな作業活動を通して機能の回復に向けた治療・訓練を行います。 また残された機能を最大限に活用できるよう家庭・仕事への復帰を目指すお手伝いや家族に対する支援を行います。
日本作業療法士協会
当センターの作業療法について
主として脳血管障害や神経疾患、整形疾患等により日常生活になんらかの困難を抱えている方に対し、以下のような働きかけを行なっています。
日常生活動作への働きかけ
- 身体機能の改善
麻痺のある部分や麻痺のない部分でも機能が低下している所の改善、生活しやすい工夫を図ります。 - 認知機能の改善
障害によっては記憶力や注意力などの認知面が低下していることがあり生活上で困っていることを分析し、改善を図り、困らないような工夫を行います。 - 精神面の改善
趣味活動を通して意欲を引き出したり情緒の安定を促します。
具体的な活動:食事動作、更衣動作、整容動作、トイレ動作、入浴動作、家事動作
復職への働きかけ
具体的な活動:車の運転、社会適応能力、作業効率の向上
住環境への働きかけ
図面や写真を利用、必要に応じて実際に自宅に訪問し、トイレ、浴室、玄関など 個々に合った手すりや福祉用具の選択を行います。
小児外来では、幼児期や学童期の肢体不自由児、発達障害児に対して様々な遊びや身近な活動を通して感覚-運動の発達を促したり、環境に適応できるよう家庭や集団生活上のアドバイス等も行なっています。
スタッフ数:18名(平成29年度)
スタッフの卒業校:国際医療福祉大学、マロニエ医療専門学校、目白大学、健康科学大学、新潟医療福祉大学、北里大学、札幌医科大学
スタッフの経験年数:~5年 5名、~10年 7名、~20年 5名、20年以上 1名
施設の様子
ドライビングシミュレーター
脳卒中後の片麻痺や高次脳機能障害、骨折や脊髄損傷といった整形外科疾患の方等を対象に、ドライビングシミュレーターによる自動車運転評価を行っています。
当院で作成したフローチャートに基づいて認知機能や高次脳機能検査を行ない、適性があると判断された場合、ドライビングシミュレーターでの運転評価を実施しています。運転補助装置を使って、左足でアクセルブレーキペダルを踏む、ハンドルを片手で操作する、上肢でアクセルブレーキペダルを操作する等、個人の身体機能に合わせたシミュレーションが行えます。
ドライビングシミュレーターはHONDA、三菱製の2台が設置されており、用途に応じた使い分けも可能です。